巡回歯科健診と歯科保健指導

 被保険者を対象とした巡回歯科健診と歯科保健指導を、外部健診機関に委託し令和元年5月から実施しております。

巡回歯科健診の内容

 巡回歯科健診は、下記の内容で行っております。

  ①歯科医師による歯科健診(問診と口腔内検査:約5分)
                ・虫歯の有無や進行度、処置歯の状態など
                ・歯茎の状態(歯肉炎、歯周病の進行状況)
                ・口腔内の歯石の有無、沈着状態
                ・口腔内の清掃度
                ・咬合および顎関節症の診査
                ・舌癌、歯肉癌の発見
                ・カウンセリング
  ②歯科衛生士による保健指導(簡単な歯石除去とブラッシング指導※:約10分)
                ・実際に歯ブラシを使って、歯並びに合った歯の磨き方を指導
                ・指導の一環として、前歯部に歯石があれば除去(但し、前歯の上6本と下6本のみ)
  ③健診結果票の交付

口腔内と歯の健康維持のお願い

 虫歯や歯周病は「痛くなってからでは遅い」にもかかわず受診を躊躇してしまい、症状が悪化してしまってから止む無く受診というケースが実際は多いと思われますが、歯医者の受診を決断するタイミングとしては、「痛みが強くなってから」ではなく「痛みはなくても歯の状態を定期的にチェックしてもらう」が理想になります。
 そして、虫歯や歯周病の発生や進行の防止には、日々の歯ブラシや歯間ブラシ&フロスによる念入りなブラッシングだけでなく、定期的な歯科健診の受診と歯石の除去や歯面の清掃が効果的とも言われております。

 厚生労働省と日本歯科医師会の提唱する「8020運動(ハチ・マル・ニイ・マル運動)=80歳になっても20本の歯を保とう!」にありますとおり、親知らずの4本まで含めれば最大32本ある自分の歯を、生涯にわたって20本以上保つことが本来は理想なのですが、残念ながら50歳以降に平均して2年に1本強の速度で歯を喪失してしまい、60歳以上の平均残歯数は17.8本、80歳以上の平均残歯数は4.6本という大変厳しい現実があります。

 口腔内の衛生環境を常に清潔に維持することにより歯周病の発症を予防し、咀嚼機能の維持を困難にする歯の喪失を防ぐため、常日頃から口腔内と歯の健康維持を心がけましょう。

 参考資料歯周病と全身疾患